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ZAISO HISTORY 05

御勝手御用達

[名古屋商人番付(天保11年)]
7代惣兵衛と尾張藩の御用達商人

 時代劇に出てくる御用達商人は、小役人と結託する悪徳商人のイメージが強い。御用達商人とは特権商人のことで、商品納入や苗字帯刀が与えられていた。その反面、御用金の割り当てがあり、大部分の真面目な商人にとって楽ではなかった。
 寛政時代の中頃(1790年代)数人で発足された尾張藩の御用達商人は、幕末には350人以上にふくらんだ。しかも7ランクに細分化され、ランクにより恩典と献金額が異なっていた。
 弘化元(1844)年、源三郎は22歳で7代惣兵衛を襲名した。嘉永5(1852)年頃、惣兵衛は尾張藩御用達をつとめたといわれる。また、安政3(1856)年には御勝手御用達准をつとめている。材ハが賜った御勝手御用達の「御勝手」とは、藩の出納係のような部門で、衣食住の物資調達の窓口である。
 7代ハ兵衛の幕末から明治政府に変わる時期は、尾張藩の財政が逼迫し、御用達商人は多額の献金や貸金を求められていた。一方で商人は尾張藩から公金の借金を受けた。尾張藩は商人に貸し付けることで利子を得ることができた。
 明治新政府になると、尾張藩が管理していた木曽・飛騨の山林の伐り出しが不可能となり、払い出し材が減少し、材木商経営が厳しい状況となった。