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ZAISO歴史探訪

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ZAISO HISTORY 27

現在、そして新たな木の時代へ向かって

[材惣DMBホールディングス梶@三重県松阪市山林]

材惣DMBホールディングス梶@三重県松阪市山林

 「ZAISO歴史探訪」として、江戸元禄初期から令和に至るまでの330年の歴史をご紹介いたしました。材惣の歴史を辿ることで、木とともに歩んできた先人たちの歴史を知っていただく機会になれば幸いです。


 当社は、江戸時代は名古屋城の改築や寺社仏閣への納材を主な仕事としてきました。明治維新により時代が変わり、苦難の時代となりましたが鉄道用枕木や電柱などのインフラ資材供給へと事業を転換したことで危機を乗り越えました。昭和に入り、家業であった材木商を株式会社化するなど時代に即して変化を続けました。その後も戦中・戦後の激動の時代を乗り切り、昭和の終わりからはプレカット事業へ参入しました。平成以降は、問屋業から住宅資材取扱い事業を中心に事業軸を転換してきました。平成の終わりにはHD体制へ移行し「History&Innovation(歴史と変革)」をスローガンにさらなる成長を目指しています。
 現在、グループ全体で多様な事業を展開していますが、当社がこれほど長く続いてきたのも、木材業という柱があったことが理由の一つと考えています。時代ごとに異なる社会のニーズに即し、木の活用の仕方を変化させながら、木とともに歩んできました。


 木は古来より存在し現代にも生き続けています。現在、日本の国土の約7割が森林でそのうちの約4割が人工林といわれています。人工林は、植林した後も適切に手入れをして育てることで、何世代にもわたって引き継いでいくことができます。さらに成長する過程で二酸化炭素を吸収し酸素を放出します。こうした特徴により、地球温暖化防止対策やSDGs(持続可能な開発目標)の視点からも木の良さが見直されています。公共建築物木材利用促進法の施行や木材加工技術の向上など、木を取り巻く状況にも変化が見え始め、当社も中大規模木造建築や森林企画開発の事業をスタートさせました。人口減少に伴い住宅需要の先行きが懸念されるなか、店舗、事務所、保育園、福祉施設など新たな販路の開拓に努めています。植林した木は、活用できる大きさに育つまでに何十年もかかります。当社が扱う山林も、前の世代から引き継がれてきたものであり、我々の世代もその成長を見届けて次に引き継ぐ役割があると考えています。


 今後もこれまでに先人たちが培ってきた経験や技術を継承しながらも、時代の変化に柔軟に対応し、350年、400年と歴史をつないでいけるように努めてまいります。